【短】空っぽの少年
「真穂子さ-ん!
今日のご飯はなんですか-?」
夕食時、私の肩に絡み付くようにレオが尋ねた。
「…オニオンスライスにオニオンスープ、メインは玉ねぎたーっぷりの酢豚よ?」
「げ!
俺の嫌いな玉ねぎばっかり…
何の拷問ですか?!」
猫のように甘い声を出してすりよって来た少年は、風のように離れる。
レオ
3ヶ月前…それこそ風のように現れたノラ男。
記憶を思い出すまでの約束が、思い出す気配のまったくない少年…。
それが…レオ。