【短】空っぽの少年
「レオ…今日の食事当番はだれ?」
「う…」
「その前の前の食事当番は誰?」
レオの顔がみるみる曇る。
まったく…
「あんた…厄介になってるんだったらそのくらいちゃんとしなさいよね」
「ごめんなさい…真穂子さん。」
「もう…いいわよ」
そんな顔されちゃ何も言えない。
「本当に…?許してくれるの?」
「…今日だけね。
次サボったらしょうちしないんだから」
「…ありがとう!
真穂子さん」
金に近い髪をなびかせ、ベビーフェイスな顔はまだあどけない笑みを見せる。
キュン
………ん?
今、妙な感覚が私を襲ったような…
「どうしたんですか?真穂子さん」
レオが私の顔を覗き込む。
「…え、な!なんでもない!邪魔だからあっち行っててよ!」
「真穂子さん…?」
レオは不思議そうな顔でリビングの方に消えて行った。
馬鹿…私、何レオなんかにときめいてるのよ…。
落ち着け…私…
やつは…
10代のガキンチョじゃないか。