【短】雨がやんだら
体育際や文化祭。
゙庶務゙なんて雑用の係りを
やりたいと言ったのも雫だった。
買い出しだったり
人手不足になった場所の手伝いだったり
明らかに誰よりも走り回っていた彼女は
当然のように、クラスの中でも人気ものになっていった。
そしてクラスの男子の何人かが
雫に対して特別な視線を送っていたことも
俺から見れば、一目瞭然で。
みんなから、信頼されてた。
みんなから、好かれてた。
特別可愛いわけでも
特別綺麗なわけでもなかったけど
その変わり者な発言や行動が
誰にとっても印象的で
笑顔の絶えない彼女の周りには
いつだって人が集まっていた。