うさ耳ダーリン
…なにそれ



なんなのそれは



「うさぎじゃありません。クロウ、です」



ムッとした口調で言われたけど、聞いちゃいなかった。



視線は白く光る長い耳に釘づけだ。



「…聞いてます?」



不審そうな表情とは対照的に、へにゃっと片耳だけ下に下がる。



カワイイ…



「…触りたい」



「…はい?」



問答無用で手を伸ばそうとすると、不穏な気配を察してか、バッと素早く腕を押さえつけられた。
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