うさ耳ダーリン
手加減のない強さでギリッ…と握られ、手首が軋んでる気がする。


それでも、この状況で弱みを見せることを嫌って、わたしはわざと笑ってみせた。


「…痛いんだけど」


嫌な汗はでてくるけど、暗闇が幸いして気付かれないですむ。


「痛くしてますから」


「―――っ!!!!!」


更に力をこめられて、思わず悲鳴をあげそうになった。


「なかなか、ガンバリますね」


楽しそうに笑ってるけれど、その紅い瞳は冷めていて何も映し出していない。
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