うさ耳ダーリン
アレに騙されちゃいけない―――
あのピコピコ動く物体は、きっと、相手を油断させるためのギミックのようなもんなんだ。
コイツは間違いない
ただの危険人物だっ
「…わたしの命が欲しいなんて、一体君は誰に飼われてるのかしら?」
不安な自分を押し込めて、挑発するように見上げてやると、冷たい紅い瞳がじっと、値踏みするようにわたしを眺めてきた。
氷のような視線に、背中がゾクリとする…けど、
それでも
女王になる自分は、いついかなる時でも屈するわけにはいかない。
特にこの国は、危険度でいえば最上級―――
こういう事態はすでに帰還前から予測ずみなんだからっ
(まさか初日からとはさすがに思わなかったけど)