うさ耳ダーリン
「―――ふぅん?」


クロウが冷たく笑うけど、怯んだりなんかしない。


負けじと言い放ってやった。


「わたし、この国で女王になるから」


「……なんだって?」


クロウの目が、わたしを値踏みするように細くなる。


「そのために帰ってきたの。…この国を、奪い返す」


その言葉は、第一王位継承者であるわたしが言うには違和感があるはずだけれど…


この国の複雑な状況を思えば正しい言い方だ。


クロウは知ってか知らずか、何も言わない。


「…まぁ、決めるのはあなたよ。わたしを殺したければやれば?」


簡単にやられるつもりはないけどね…


気付かれないように手の平に忍ばせていた魔法石を握りしめた時、


「女王になる人間が、来てそうそう牢屋…ですか」


う゛……
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