うさ耳ダーリン


「…んン…っ!!?」



いつ奪われたのか―――



理解した時には、既に唇は塞がれ、ろくに息もできない状態になっていた。



「…クロ…う…っ」



なまめかしい感触が自分の舌に触れた瞬間、ビクリと身体が強張る。





「―――よく、わかりました」



「…え…?」



途端、ふっと身体が軽くなったと思うと、



わたしにのしかかっていたヤツは瞬間移動のように、ベッドの横に腰かけていて、



わたしは、身体はもちろんのこと、押さえ付けられていた手も、唇も、解放されていた。



「何…が…」



不本意ながら乱れる息を整えつつ、ゆっくりと上半身を起こす。



そんなわたしの手を、ヤツはまさに貴婦人を扱うかのように恭しくとり、



「…気の強いプリンセスは、色方面には全く免疫がないこと」
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