うさ耳ダーリン
今日のこの日を待ち望んでいた気もするし、


永遠に来ないでほしかった気もするような…


複雑な心境。








「…怖じけづきましたか?姫様?」


…言われて、一瞬肩がビクつく。


「……ベア〜ン…こんなところで姫なんて呼ばないでよね」


じとっと横目で睨んでやると、ベアンは「失礼しました」と言いつつも口元は含み笑いを浮かべていた。


…わざとだ…絶対。


まだ中に入っていないものの、


この国で、


しかも「街中」でその単語を口にすることがどれほど危険か、わかってて言うからタチが悪い。


「帰ってきてそうそう暗殺されるなんて、ごめんよ」


ムッとして言ったのに、


「うーん…そうですね…それはそれで、国が荒れて面白そうではありますが」


って、


冗談に聞こえないんですけど…っ!!!
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