うさ耳ダーリン
国内に入るのために特に通行手形は必要ない。


良い意味でも悪い意味でもオープンな国だ。


わたしとベアンは、開け放たれたままの城門から早速中へと足を踏み入れ…


られなかった。






「はい、そこの二人、ストップ」


「へ…?」


二人って…


今ここを通り抜けようとしているのは、何台かの馬車とわたし達だけで…


「もしかして、わたし達のこと?」


まさか、一発バレ!?


恐る恐る声のした方を振り返ると、城門の脇に立っていた衛兵だった。


「そう、君達。この国に何の用がある?」


「何の用って…」


女王になるために来たって言ったら、ひっくり返るかしら…?


「悪いこた言わない、引き返せ」


衛兵はそう言って、ジロジロとわたしを無遠慮に眺めてくる。
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