うさ耳ダーリン
「中に入ると何かまずいことでも?」


無礼な衛兵にいささかムッとしながらも、顔には出さないように努めた。


「君達みたいな女の子とじーさんの二人連れ、すぐに餌食にされちまう」


それが親切心からきてるものじゃないって、


腰に伸びてきた手が物語っている。


「…この手は、何?」


じろっと睨みつけると、衛兵はますます調子にのって身体を近付けてきた。


「その目、いいね〜…どうしてもって言うなら、俺が護衛でついていってやってもいいけど?」


仕事はどうした、仕事は!


まさにわたしの手が出る、その一瞬前に、


「わたくし共は城に行くとこですが」


ありえない、ベアンの爆弾発言が落ちてきた。
< 7 / 28 >

この作品をシェア

pagetop