(短編)大好きがいっぱい。


「…沙織、沙織ってば!聞いてる?イベント!もうすぐ、イベントがあるじゃん」

満紀が落ち込むアタシを容赦なくズイッと覗き込んできて言った。

「…イベント――?」

「そう。女の子の一大イベント。聖バレンタインデー」

アタシの問い掛けに対し、満紀は即座にニッコリと答えた。

今日は、2月12日。
バレンタインまで後二日だった。

確かに、もう迷っていても仕方ない。
行動しない事には何も変わらない。

「…うん、決めた―アタシ、バレンタインに告白するッ!」

アタシは、そう宣言した。

もう、逃げない。
今度こそ、アイツにちゃんと言う。

アタシの想い。
アイツに―…
伝えたい。



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