(短編)大好きがいっぱい。
二.負けない
2.13-バレンタイン前日-
この日の教室は、いつもにまして騒がしかった。
休み時間の度に、女子の間では明日のバレンタインの話で持ち切りなのだ。
「…みんな、さすがに張り切ってるね〜!」
机に頬杖を付いて関心したようにそう言ったのは、満紀。
「うん、だね―やっぱりバレンタインは特別な日だからね。―アタシも…今日チョコ作ろ」
アタシは、満紀に頷きながら言った。
「―あ、チョコ作るなら、あたし手伝おっか?」
満紀は、そう言ってきた。
「うん、お願いッ!アタシ一人じゃムリ!アタシ、料理全然ダメだから…」
アタシは、拝むように手を併せた。
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