(短編)大好きがいっぱい。


「OK♪一緒作ろッ!」

満紀は、言った。

「ありがと。じゃ、今日アタシん家でチョコ作りね!」

アタシは、満紀にそう提案した。

その時―

「…誠実クンッ!」

廊下の方でアイツを呼ぶ可愛い声がした。

アタシは、思わず教室の入口から顔を出し、声がした方を見る。

そこには、誠実に向かって小走りで走って行く―
女子の姿。

「―あのね、誠実クンって、甘い物とか平気?」

その子は、小首を傾げてアイツに尋ねた。

「平気だけど…」

アイツは、戸惑いながらそう答える。

「良かったぁ!明日、チョコあげるから楽しみにしててね♪」

ニッコリと可愛い笑顔を向けたその子。



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