(短編)大好きがいっぱい。
「―…ねぇ、ちょっと…いい?」
この日の授業が終わり、帰り支度をして教室から出たアタシは、後ろから誰かに声を掛けられた。
「――由佳里ちゃん…」
アタシが振り返ると、そこには難しい顔で腕組みをして立っている由佳里ちゃんがいた。
「…あなたに、ちょっと話があるの。あたしに少し付き合って」
そう言って、由佳里ちゃんはアタシに付いてくるように手招きをした。
そして、人影のない辺りまでアタシを連れて来ると、
由佳里ちゃんはピタッと止まり、くるっとアタシの方を振り向いた。
それで、アタシは思わず身構えてしまった。
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