(短編)大好きがいっぱい。
由佳里ちゃんは、アタシを真っ直ぐ見据えると、手を自分の腰に当ててこう尋ねてきた。
「あなた―さっきの…あたしと誠実クンの会話、聞いてたでしょ?」
やっぱ、バレてた―?
さっき、アタシがこっそりと二人のやり取りをしっかり聞いて見ていたの―。
アタシが何も言い返せないでいると、由佳里ちゃんはウンと怖い顔をしてこう言い放った。
「まぁ…それは良いとしてね。あなたはどうか知らないけど―あたしは、誠実クンの事好きなの。だから、邪魔はしないでよねッ!それだけ言いたかっただけだから」
そう言うだけ言って、由佳里ちゃんは去って行った。
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