(短編)大好きがいっぱい。
「もうッ、沙織!捜したよ―!こんな所で何してんのよ?!まったく!今日チョコ作るって約束してたのに、あんたの姿見えないから、心配してたんだからー」
満紀は、一気にそう言ってまくし立ててきた。
「―ごめん、ごめん…ちょっと―ね。色々あって!大丈、夫だけどさっ」
何もなかったように、ニッコリ笑って答えるアタシ。
「―そう?じゃあ、早く帰るよッ!今日は、アンタん家でチョコ作るんでしょが!!」
満紀は、一段と強い口調で強調するようにそう言った。
そう―チョコレート。
アイツに…
伝えるって決めた想い。
「…ウン―!」
アタシは、満紀に元気良く返事をした。
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