(短編)大好きがいっぱい。
「―もうッ…何アタシ、今さら弱気になってるのッ!しっかりしなくちゃ!!」
アタシは、ブンブンとかぶりを振って自分にそう言い聞かせると、グッと拳を握り締めた。
もう、逃げたくない。
今まで、アタシはずっと逃げて来た。
臆病だった。
勇気がなかった。
自信がなかった。
アタシは、知らず知らずの内に、アイツに告白した子達に負けていた。
今度も、由佳里ちゃんとの勝負から逃げてしまったら、また負けになってしまう。
だから、
今度という今度は逃げない。
想いを伝える事から―…。
決して、逃げたらダメ。
逃げたら、諦めるのと同じになってしまう。
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