(短編)大好きがいっぱい。


どうしよう―…
先越されちゃった。

アタシは、為す術もなくその場に立ち尽くしたままでいた。

「…何―?俺に何か用事?」

アイツは、そう由佳里ちゃんに聞く。

「うん、ほらッ!前に、チョコあげるって言ったでしょ?だから、はいッ!貰って?」

由佳里ちゃんは、ニッコリ笑ってチョコをアイツに差し出した。

アタシの目の前で…。

「…ぁあ―ありがとう。」

アイツは、チョコを受け取ってお礼を言う。

由佳里ちゃんは、コクンと頷くと続けざまに、
「それとね…あたし―誠実クンが好きなの…あたしと付き合ってくれないかな―?あたしを…彼女にして下さい。」
そう告白した。


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