(短編)大好きがいっぱい。


「…あ〜、何かお前呼んで欲しいって。一年の女子が来てる」

教室の出入口付近を指差し、答えるクラスメート。

あれ、名前何だっけ?
まぁいっか…(笑

アタシには、アイツしか見えない。

アタシの頭はいつも、アイツでいっぱい。

なのに、アイツは―

「分かった、すぐ行く…」

さっきより、しっかりときっぱりした声。

アイツは、席を立って一年の女子が待っている方へと向かって行ってしまう。

何で
行くの―。
行かないでよ―…。

分かってる。
アイツは優しいから…。

例え、アタシが行かないでって言っても行ってしまうんだ。



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