(短編)大好きがいっぱい。
「…なぁ〜んて顔してるのよ!沙織ッ!!しっかりしなって」
机に突っ伏し、落ち込みを隠せないアタシを、いきなりバシッと叩いてきたのは――アタシの友達、川合 満紀(かわい みつき)。
「…みつきー!アタシ、もうダメ、痛いよ―…」
アタシは、今にも泣きそうな声で満紀に縋った。
「あら?そんなに痛かった?!―ゴメン、ごめんッ!」
満紀は、そんなアタシを笑い飛ばす。
「違うよー!そうじゃなくて…確かに、ちょっと痛かったけど。―アタシが痛いのは……心」
アタシは、ブンブンと首を振って否定し、自分の胸の辺りを指して答える。
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