葬儀屋少女
「やめて!汚らわしい手で触らないで!」

数時間後、漆黒の少女は手枷をはめられていた。

紫色の澄んだ瞳は光を失っている。

「…」

そのまま、少女は冷たい鉄格子の檻へと放り込まれた。

「死神…」

少女はうわごとの様に呟く。

「私は…生きていてよ…!」

つうっと
陶器の様な白い肌に
涙が伝った。

「葬儀屋、出番よ」

姉が鉄格子の扉を開く。
漆黒の少女はただぐったりと
その場にへたりこんでいた。

「大丈夫よ。すぐに忘れるわ…。何もかも」

ずるずると姉は少女を引きずっていく。
そして、深紅の垂れ幕の前でその口に何かを流し込んだ。

「フフフ…ちょっとおねんねしててねぇ」

漆黒の少女は
その言葉に誘われる様に…
目を瞑った。





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