葬儀屋少女
「…いくわよ、死神」

「え?いいの?」

青年は不服そうに手を降ろす。

「あまり人間を殺すのは…気が進まなくてよ」

アンタもこの間殺しただろ?
青年は、小さく苦笑をする。

全ては、貴方のために─…

「…離しなさい」

「えー…いいだろ、別に。助けてあげたんだし」

人の居なくなった場内。
物音1つしない場内で青年はべったりと少女に抱きつく。

「今回だけですわよ…」

「…サンキュ」

そのまま、暫らく。
青年少女はぴくりとも動かなかった。

────チリリン

果たして
月夜はどちらに見方をするのか。




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