葬儀屋少女
「くそっ!」

帰り道。
俺は無性にイライラしていた。

「あんだけ勉強したのに!」

どうして、できない?
どうして、俺が悠哉の下だ?

今日、帰ってきた英語のテスト。
胸を高鳴らせていた期待は見事に裏切られた。

「もうイヤだ…」

俺はふらふらと路地裏に入った。
前々から誘われていたんだ。

「よぉ。覚悟したんかよ?」

この理不尽な現実から抜け出すことができるって。

「おら、初回はただだ」

注射器を渡される。
──ああ、楽になれるんだ。




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