葬儀屋少女
チリリン…
遠くで、鈴の音が鳴った。
猫?
夜だしね。
チリリン…
近づいてくる、鈴の音。
チリリン…
段々、あたしは怖くなった。
と、その瞬間。
ガッ!
と派手な音がして。
あたしは何が起こったのかも分からずに、後頭部に走る激痛に意識を奪われた。
「…遅かったわ。ねぇ?」
「なーに?」
「この子の憎しみはいらないわ。汚れているもの。だから、貴方にあげる。」
漆黒で身を包んだ少女は、倒れた姫奈を足で軽く転がすと、そう言った。
「…俺も、あまり食いたくないけど」
言いながらも、青年は姫奈に歩み寄る。
そして…
「いただきます。」
首筋に、牙をたてた。