幼かったあの頃
昼休み。

「ほら、七海行くよ!!」

「やだぁ…」

「もぉ!!」

里美は私の腕を掴んでいる。だけど私はまだ動こうとしなかった。

「じゃあ、うちと里美はたっくん達と楽しんでくるから七海は1人寂しくここにいたら?」

「えっ…?」

「そうだね。じゃあ紗枝、行こっか。」

「早くしないと休み時間なくなっちゃうしね♪」

「「じゃあね。」」

「本当に行っちゃ…う…の?ってか行っちゃった。」

これってケンカじゃないよね?

うぅ〜(泣)

一緒に行くべきだった?

でも嫌なもんは嫌なんだもん。

でも…友達がいなくなる方がもっと嫌…。

どうしよう…。

私は目にたまった涙をこらえながら、結局追いかけることができずに1人で過ごした。

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