甘彼-Amakare-
資料室の前に着くと、乱れた髪の毛を治して息を整えた。


「ふぅ〜。よしっ!」


…ガラガラ


窓際には成夜の姿。


タバコを吸いながら
外を眺めていた。

タバコの箱に"SEVENSTAR"
と印されていた。


少しさみしげな顔つき。


「…成夜?」


私は無意識のうちに成夜を呼んでいた。

「…おっす。」

「成夜ってタバコ吸うんだ…」

「まぁな?座れば?」

「うん。」


何か…凄く優しい…。

ん?何か企んでるとか?



「…どうたの?」

「やっ…逢いたくなったから。」


…ドキッ


「なんか…らしくないなぁ」

「うっせーよっ。」


成夜はニッコリ笑った。
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