鬼神の舞

「これから、弥生の頃になると梅の他に菜の花や木蓮も咲くわ。」

「それは…見事だな。」

二人は、顔を見合わせ楽しげに笑った。


「焔は、貴方は何処から来たの?」

真白は、そう尋ねると焔の答えを待った。


「向こうの方から…。」

そう答えながら、焔は北東の方角を指し示した。


「その方角は、鬼門…先の方には町を守るお寺があるけれど…。」

不思議そうに首を傾げる真白の言葉を遮り、焔は言った。
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