鬼神の舞

「お前達は、付喪神だな?」

“そうじゃ、我らは九十九の時を経て魂を得た農具じゃ…ふむ…我らの姿が見えると言う事はお前も仲間か?”

「私は…鬼だ。」


焔の言葉に、二人の付喪神は顔を見合わせ大袈裟に驚く素振りをした。
だが、彼女を見据える痩せた男の顔には嫌な笑みが見る間に広がっていった。


“鬼か…見たところほんの子鬼じゃないか。恐れるに足らぬな。”

“そうじゃ、そうじゃ。おい鬼、そこをどけ!”

そう言いうと、太った男が焔の衣の襟元に太い腕を伸ばした。



「子鬼と思って馬鹿にするな!」

焔は叫び、腰に差した黒金の鉄扇を広げた。

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