鬼神の舞

「そう簡単には決められぬか?なぁに、一日は長い。庄の仕事を見てまわりそれから決めてもよい。真白、お前も急かす様な真似はするなよ。」

「はい、お父さん。」

真白の言葉に、梅兼は頷くと言葉を続けた。

「それと、今日は都から庄士様が視察に見える。何かと忙しくなるぞ。」

「庄士様が…では、一総(かずさ)様もご一緒に?」

「うむ…。」

梅兼は、そこで言葉を切ると焔の肩を優しく叩き畑仕事へ出かけて行った。

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