胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
「さっきから、チラチラ見てますよ。」
さくらが私の肩をつつく。
のれんの向こうにいる恵さんは、いつも以上にかわいい声でたっくんと話す。
「私、絶対応援してるんで…負けないで下さい。あの人、いじわるだから私も嫌いだし…」
涙が出そうになった。
この店の中に、そんな風に言ってくれる人、誰もいなかったから…
「ありがと…なんか嬉しいよ…」
「あ…先輩泣いちゃだめですよ!」
私より年下なのに、私の肩を抱いてくれる優しい腕は…
なんとなく直と似ているような気がする。
最近、電話ばかりで直にこんな風に抱きしめてもらってないなぁ…
「先輩…今度はにやけてますよぉ?かわいい!」
あと一時間でやってくる休憩時間…
それまで、なるべくたっくんと恵さんを見ないように過ごした。