胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
久しぶりに笑った気がする…
先生、ありがとう。
トントン…
「お待たせしましたぁ!新垣先生、カツ丼二つお届けでーす。」
元気良く、カツ丼を運んできたのは、中学生くらいの小柄な女の子。
「よぉ!ぴんきィィ!お前、今日も来てたの?ごほうびにおつりは、あげるよ。」
ぴんきィ?
誰…?
その女の子は、とてもかわいらしい笑顔で笑った。
「新垣先生、カラオケ連れていってよぉ。」
「そういや、お前歌手になりたいんだっけ?」
「うん!その前に、この高校に入りたいんだぁ。担任になってね。」
俺をちらっとも見ずに彼女は、部屋を出て行った。
鈍感な俺でもわかる。
「なぁ、先生?あの子先生に惚れてるよ…」
「はぁ?有り得ない有り得ない。まだ中学生だぞ。」
わかってないなぁ…
男の俺でも素敵だと思っちゃうくらい、先生はいい男なんだよ…
「あの子誰?ぴんきーって名前?」
「そんな名前あるかぁ?ばかだなぁお前。あの子は、学校の用務員さんの孫で、夏休みとか春休みだけ手伝いに来てくれるんだ。みんながぴんきィィって呼ぶから…名前は、わかんねぇ。」
「あれは、恋する目だね。」
先生は、食べかけたカツ丼をのどに詰まらせて、麦茶を一気飲みした。
「気付かないとこで、愛されてることもあるんだよ、先生。」
俺は、少し自慢げに昨日バイクに貼られてた手紙を見せる。