胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


夜の街は久しぶりだった。


高校卒業してすぐの頃、興味本位で友達とキャバクラに行ったりしたっけ…



すぐ飽きたけど…




ネオンがキラキラしてて


涙のせいか


とても綺麗に煌いてる。



通り過ぎる人々は俺なんか目にも入らず、


俺の存在に気付く人もいない。



俺はちっぽけで

空っぽで

弱くて かっこ悪い ただの酔っ払い…



電柱にもたれかかると、黒い服来た男が話しかけてくる。


風俗の呼び込みかぁ?



意識が遠くなり、ここが夢の中のような気がしてくる。



風俗店の入り口の鮮やかなピンクの看板とその奥に見える女性の写真。


わざとらしく笑うその写真を見て、またゆかりと比べてる。


ゆかりの笑顔は世界一…


俺を癒せるのはゆかりだけ…




一瞬そのピンクの階段に吸い寄せられた俺だけど、

また歩き続ける。



ここは、嘘だらけ…


嘘の笑顔が溢れてる。




ハゲたオヤジの腕に絡みつく若い女。


さっきから何人見ただろ…




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