胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
俺は、路地裏に入りウイスキーを一気飲みした。
これで、もう辛くない。
忘れられるんだ…
その時、若い5人くらいの女が俺の前を通り過ぎた。
中学生?
もしかして、ぴんきィィかぁ?
酔っていたせいか、大声で呼び止めてしまった。
「おい!」
酔っ払いに声をかけられ、その少女達は変な目で俺を見て走り出した。
俺はもう、かっこいいたっくんでもなんでもない。
はぁ…
俺は地面に座り込む。
その時、誰かが俺の肩に触れた。
「…やっぱりそうだ!」
しゃがんで俺の顔を覗きこんできたのは
まだ幼い顔をした女の子。
肩までの髪を耳に掛け、心配そうに俺を見る。
「誰?」
俺の質問に答える前に、俺を抱きしめてきた。
香水の匂いが俺を包む。
俺は、誰だかわからないその少女に頭を撫でられて、心が落ち着いてくるのがわかった。
「あの…焼き鳥屋さんでバイトしてません?」
「…え?あぁ、してるけど、店に来たことあんの?」
俺は、ミニスカートに白いブラウスを着たその少女の目を見つめる。
見たことねぇな…
だけど、かわいい。
「私…あの…ファンなんです。見てもらえました?あの手紙…」
俺は、謎のラブレターを思い出す。
「あ!あぁ…千恵理?」
いつの間にか覚えてたその名を口に出した瞬間、また俺に抱きついてきた。
そして、
「やったぁ、メタンコ嬉しいですぅ!!覚えててくれたんですかぁ?」
俺を笑顔にさせる魔法の言葉…かな。
『メタンコ』