胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
「そろそろ行く?」
かじりかけのドーナツを頬張った私達は、懐かしい場所へ急ぐ。
直は、専門学校の友達の話をするとき、少し眉が下がる。
ヤキモチ焼きな私に遠慮してくれてるのがわかる。
「なっつかしぃ~!!」
「やっぱいいねぇ…」
土曜の昼の学校は、運動部の掛け声とブラスバンド部の練習の音が響いてる。
「今日は先生に言った?」
「ううん…また抜き打ちぃ~!びっくりするかなぁ」
直は、照れ臭そうに鼻を触る。
「最近、先生と会ってる?」
「新学期始まってからは、なかなかデートはできないけど…帰りに家に寄ってくれたりする。」
私は、たっくんが家に挨拶に来たときのことを思い出す。
ガチガチに緊張したたっくん…かわいかったなぁ。
あれからまだ、ほんの少ししか時間が経ってないのに…
私達すごく変わってしまったね。
直が私の手を引っ張る。
「走ろ!!」
懐かしい坂道を思い切り走った。
木々や、校舎や、花や、靴箱が…
『おかえり』
って言ってくれるんだ。