胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


「そろそろ行く?」


かじりかけのドーナツを頬張った私達は、懐かしい場所へ急ぐ。



直は、専門学校の友達の話をするとき、少し眉が下がる。


ヤキモチ焼きな私に遠慮してくれてるのがわかる。




「なっつかしぃ~!!」

「やっぱいいねぇ…」



土曜の昼の学校は、運動部の掛け声とブラスバンド部の練習の音が響いてる。



「今日は先生に言った?」

「ううん…また抜き打ちぃ~!びっくりするかなぁ」

直は、照れ臭そうに鼻を触る。


「最近、先生と会ってる?」

「新学期始まってからは、なかなかデートはできないけど…帰りに家に寄ってくれたりする。」


私は、たっくんが家に挨拶に来たときのことを思い出す。


ガチガチに緊張したたっくん…かわいかったなぁ。



あれからまだ、ほんの少ししか時間が経ってないのに…


私達すごく変わってしまったね。




直が私の手を引っ張る。


「走ろ!!」


懐かしい坂道を思い切り走った。


木々や、校舎や、花や、靴箱が…



『おかえり』



って言ってくれるんだ。
< 159 / 498 >

この作品をシェア

pagetop