胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
【ゆかり】溢れる想い
【ゆかり】



昼休みの食堂は女の子達の笑い声に包まれる。


有線の明るい音楽も聞こえないくらい、賑やか。



「おばちゃん!日替わり定食4つね!」


厨房の奥にいるおばちゃんに届く美亜の大きな声。



最近この4人で行動することが多い。


やっと人間関係も落ち着いてきた。



たっくんを探し回ったあの夜から、たっくんへの気持ちが抑えられない。

思い出の写真を見て涙を流す夜が続く。



「ゆかりちゃんに謝らなきゃいけないの…実は…こないだの合コンで会った男の子にゆかりちゃんのメアド教えちゃったの…」


隣に座るさやみは私の膝をスリスリしながら、申し訳なさそうな顔をする。

4人の中でも妹的存在で、憎めないキャラ。


「いいよぉ。メールくらいなら。」


私はさやみの頭を撫でる。


「ダメ~!!さやみのバカ!ゆかりにはちゃんと好きな人がいるの!しかもすんごいかっこいいんだから!」

私の代わりに怒るのは、美亜。


向かいに座るさやみに手を伸ばし、さやみのほっぺをつねる。


「いててててぇ…ごめんごめん。もう教えません…」


さやみは、美亜の大好物のプチトマトを美亜の口へ運ぶ。


それを見て笑うもえかは、入学式の合コンで彼氏を作った。



常に携帯チェックを欠かさないもえかを見て、昔の私みたいだ…って思っちゃった。



最近、携帯はいつも鞄の中。




かかってくるはずのないたっくんからの電話、気にするのも疲れるから…



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