胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
私は
何て
バカだったんだろ…
あの時、ホテルの部屋から私の名前を必死で叫んだたっくんを
どうして、信じることができなかったんだろう。
入れてくれたばかりの氷水の氷が
…カランって音を立てた。
我慢してた涙が溢れた。
今、私の前で、涼しいこの店内で…
ちょっと汗をかきながら話す大事な人。
ごめん
ほんとにごめんね。
それしか言えなかった。
支えてあげられなくてごめんね。
私が、信じてなかったから、たっくんはなかなか話せなかったんだよね。
話したら、泣いて逃げちゃうって思って怖かったんだね。
私がもっと、理解あってたっくんを心から信じてる彼女だったら…
たっくんを苦しめなくて良かったんだ。
…知らなかった。
恵さんが妊娠してたなんて…
夜中に何度も、手首に傷を付けてたっくんに助けを呼んでたなんて…
知らなかった。
話せなかったのは、私のせい。
話せる環境を作ってあげられなかった私が悪かったんだ。
友達がそんな状況で、放っておくことなんてできないよ。
たっくんがそんな人じゃなくて良かった。
たっくんは、眠い目をこすりながら何度も恵さんの様子を見に行ってたんだね。
それが、『愛』じゃないことはわかるよ。
恵さんは一人ぼっちだった。
彼氏に逃げられ、家族からも孤立した寂しい状況で、頼れるのはたっくんだけだったんだ。
たっくんは、先生の所へも相談に行った。
そして、ちゃんと全てを話そうと決心して…あの日、突然会いに来てくれたんだ。
それなのに…
私は、そんな気持ちも知らないで…
最後のエッチと勝手に思い込んで、逃げてしまった。