胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
「私もしんどいよ。好き過ぎるってしんどいよね。信じてても苦しい。」
「直も?直と先生ほどの愛でも、苦しいんだね…」
「だって、私のように先生を想ってる生徒がいるんだって考えるだけで…嫉妬しちゃうよ。私が見ることのできない授業中の先生を見れるんだもん…悔しいよ。」
直も、苦しかったんだ。
私が辛かったから、何も言えなかったんだね。
いくら深い愛情で結ばれてても、信じてても…やっぱりヤキモチも焼くし…独り占めしたいって思うよね。
直は、天井を見ながらため息をついた。
「戻りたいなぁ…」
私には意外だった。
あの頃は、バレちゃいけないから隠れて付き合ってて、なかなか会えずに寂しかったはずなんだけど…
今は、会いたいときに会えて、自由に恋できる。
「今、幸せ?」
私の問いかけに、とても嬉しそうに笑う直。
「うん!もちろん!だけどね、欲張りになっちゃう。先生の授業してる姿が見たいなぁ…とか先生に出席取って欲しいなぁ…とかさ。思い出すと切なくなる。」
「そうだね…もう先生の授業受けられないもんね。でも、個別授業なら一生受けれるんだよ!!」
私は直の頭に手を置いて、ポンポンってその手を弾ませる。
「そっかぁ!先生にお願いしてみよっと。」
直は枕元に置いてある先生との写真をじっと見つめた。
教師と生徒の恋は、卒業してもやっぱり教師と生徒の恋なんだ…って思った。
直は、先生を男としてだけでなく『教師』としても大好きだから。
先生は、これからもずっと教師であり、女子高生と毎日顔を合わすわけで…
私の嫉妬よりずっと辛いんだろうな…直は。
写真を見つめる直の横顔を見て、自分の悩みの小ささに気付いた。