胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
例のアレ…
とは、俺が昔、言った『3P』の事だろう。
隆介が仲良く美亜ちゃんとケーキを食べているのをただじっと見つめてた。
俺はちらっとゆかりを見た。
「あんな綺麗な人がたくさんいるんだね…キャバクラって。」
ゆかりは俺の目を見ずに言った。
「卓弥、キャバクラなんか行ってんの?」
隆介が唇にモンブランを付けたまま俺に聞いた。
「行ってねぇよ…ちょっと、荒れてた時に何回か行っただけ…」
美亜ちゃんは、俺とゆかりを交互に見ては、心配そうな顔をした。
「愛柚とは、中学からの友達なんです。お金貯める為にキャバクラで働いてるんですけど、ちゃんと彼氏もいるし…」
「美亜、大丈夫だよ。私とゴタゴタしてた時期にキャバクラに行ってたって聞いてたし…平気だよ。」
いや…絶対平気じゃない。
みんながいるから耐えてるだけで、きっと今にも涙がこぼれそうな状態だ。
「ごめんな…ゆかり。嫌な想いさせちゃったな…」
静かに首を横に振るゆかり。
「卓弥も基本的に真面目だから、もう行かないだろ…」
隆介は、そういう場所が大嫌いだった。
入学して、みんなでキャバクラデビューしようと話してる時も、一人だけ興味ないって言ってたな。
「俺、こいつ送ってくるから…」
隆介は、普通に恋人同士のように美亜ちゃんと店を出た。
窓の外では顔を赤らめた美亜ちゃんが隆介のバイクの横に立ってた。
「あの二人、いい感じだよね。」
ゆかりは頬杖をつきながら、窓の外を眺めてた。