胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
【ゆかり】戻らない時間
【ゆかり】




投げられた携帯電話は


空しく床に転がっていた。



悲しいね。


いつもいつも電話してる携帯電話が


こんな姿になるなんて…




私とたっくんをつなぐ大事な通信手段。


一歩間違うと

すごく恐ろしい秘密の詰まったもの。




何気なく見たことが嫌。



もし、辛くて信じられなくて、どうしようもなく見てしまったのなら救いようもあるかもしれない。




…私は、そこまで何か重要なことがあるなんて考えず、軽い気持ちで見た。



そこが罪の意識を大きくさせる。




…怒ってないよ…って言うんだ。


…許すから…


…俺が不安にさせたのが悪い…




たっくんは、私の肩を優しく抱きながらそう繰り返す。




怒ってよ。


俺を信じてないのか!って怒鳴って…



じゃないと…


よけいに不安になる。
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