胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
『今すぐ行くから待ってて。』



私は直に電話をかけていた。




本当にすぐに来てくれた。



窓の外を見ると赤い車が停まってた。



「ごめん、直。先生と一緒だった?」

「ううん。送ってもらっただけだよ。」


何から話していいのかわからず、真っ赤なクッションを抱きしめていた。



「四つ葉のクローバー探しに行ったのに、どうして落ち込んでんの?」


直は、わざと明るい声で私に問いかける。



そうだった。

今日は、四つ葉のクローバーを探しに行ったんだ。



「復活してからまだ1週間経ってないんだよ。どした?」


月曜にたっくんと再会できて、今日は土曜。



この5日間、本当に幸せで…この幸せが永遠に続くと信じたかった。




「直は、先生を信じてる?」

「うん。信じてる。だけど、不安にはなる。信じてるけど、心配だらけ。」



「携帯、見たことある?」

「………見る時は、最終手段かな。別れる覚悟の時。」



クッションに顔を埋めて、ため息をつく私の横に直が座り直す。



「見ちゃった?ケータイ。」

「………軽蔑する?」


「するわけないじゃん。好きなら、誰でも見たくなるんじゃない?」

「信じてたはずなのに…どこかで疑ってたのかな。」


直が自分の携帯を取り出して、待ち受け画面を見せてくれた。



そこには、芸能人が突然カメラを向けられて驚いているような、そんな表情の先生が映ってた。


「かわいいでしょ?この顔見てると、信じようって思う。こんなかわいい顔した先生を疑ったらかわいそうだって思う。だから、不安になったらコレを見る。」


「直、強くなったね。」



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