胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
「やったぁ!!ここ、好きなんだぁ!」
ゆかりは予想以上の反応をしてくれた。
今日は、月が水面にくっきりと映っていて…なんだか感動してしまった。
ベンチに座り、手を繋いだ。
今日は、エッチな事はしない。
まぁ、さっきしたんだけど…
俺は、鞄から取り出した音楽プレーヤーのイヤホンをゆかりの耳にくっつけた。
「何?…なんの曲?」
片方のイヤホンは俺の耳。
「この曲、知ってる?懐かしいだろ?」
俺は、自分が高校生だった頃によく聞いていた曲を聴かせた。
「うんうん…流行ったよね、この歌。よくカラオケでみんな歌ってたよねぇ。」
ゆかりは、目を閉じて…過去を思い出していた。
「なぁ、この曲聴いてた頃…俺お前の事知らなかったよな。お前も俺の事知らなかった。だけど、同じ曲聴いて懐かしく昔を思い出してる。」
「そうだね…なんだかずっとたっくんと一緒にいるような気になってるけど、この頃は知らなかったんだね。」
ゆかりは、そっと俺の手を握った。
きっと、ゆかりは龍って元彼との思い出を振り返ってる。
俺は恵との事を振り返る。
湖に映る月が少しだけ移動していることに気付き、地球って回ってるんだ…なんてしみじみ考えてた。