胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


どうしても言いたいことがあったけど、


電話がないので言えなかった。




隆介と美亜の事。



お風呂から出て携帯を見ると、美亜からメールが届いていた。




今まで美亜からもらったメールの中で一番短いけど一番気持ちが伝わった。



『好き好き好き!!』





詳しい状況も、あれからどこに行ったのかもわからなかったけれど…


そのメールを見る限り、すごく幸せな時間だったんだとわかる。




ちゃんと好きになったんだね。


辛い過去を乗り越えることができた美亜は、これから隆介とどんな恋をしていくんだろう。





たっくんに電話できない寂しさを直で埋めてしまう。


夜中まで長電話。



携帯の充電が切れかけて、ブチブチと変な音がしたので仕方なく電話を切った。


あれがなければもっと話していたような気がする。




直から聞いた。


ぴんきィィちゃんは、多分先生が好きだったって事。

そして、2次予選まで行ったオーディションだったけどダメだったって。

だけど、まだまだこれから…どんどん夢は大きく羽ばたくよね。



直が笑った。


先生が最近、高校で変なあだ名で呼ばれてるって。

どうして私達の時代に呼んでなかったんだろうって思うくらいありがちなんだけど…すごく面白くてずっと笑ってた。


『アラカズ』


その響きが可笑しくて、2人で笑い疲れるほど笑った。



直は、たっくんが携帯電話を湖に投げたことを聞いて…

『大事にしようね…私もゆかりも大事にされてるよね』

って言った。



直に聞いてもらうことで、いつもいつも心の中が整理されて行く。


『これでいいのかな』って言う不安や迷いを直が消してくれる。


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