胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
1時間もしないうちに隆介は戻ってきた。
乱れた髪を直す仕草に、何人かの女子が見とれていることに隆介は気付いていない。
俺は、気になっていたことを聞いてみた。
「なぁ、あのハムスター誰からもらったんだ?」
隆介は、鞄から取り出したペットボトルのお茶を飲み干す。
「…んぁ?あれ?あぁ、バイトの友達。俺2匹もらったから1匹美亜にやった。」
…バイトの友達かぁ…やっぱ鈴子だな。
「もしかして女?」
隆介は女の話が苦手だから、俺は少しビビり気味。
「はぁ?ハムスター?多分、メスだと直感で感じたからメスの名前にした。美亜にあげた方は、オスだと思う。自信ないけどな。」
俺は笑いが止まらなくて、お腹を抱えて笑った。
それを見て、隆介は口をとがらせて顔を背けた。
「卓弥お前ムカつく!真剣に話してんのによぉ!」
隆介がモテる理由がわかったような気がする。
どこか抜けてるかっこよさ、みたいな…
「名前、何にしたんだ?」
俺は、もう鈴子の事を聞く気にはなれなかった。
「お前笑うから教えない。」
「笑わないって…!」
……笑わないって言ったけど、笑わずにいられなかった。
俺は、机に顔を押し付けてなるべくバレないように爆笑してたけど
隆介は気付いて、俺の頭を殴る。
だって…
あの隆介から出た言葉とは思えない。
クールでSな隆介。
あいつから
『みーたん』
なんて……
これは、今晩のゆかりとの爆笑ネタになる。