胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
短大に入学して、しばらく時間が過ぎ、自分の居場所も確定した。
たっくんと千恵理の事も、もう気にしないことに決めた。
気になっちゃうこともあるけど…
たっくんにその気がないってことだけは確かだから。
誰かがたっくんを好きになることは、止められない。
先生を好きな生徒がたくさんいることも、どうしようもない。
鈴子が隆介を好きだとしても、仕方がない。
人の気持ちはどうすることもできないんだ。
たっくんさえ、しっかりとしてくれていれば…心配することなんてない。
だってさ、それなら…
芸能人の奥さんなんて、毎日不眠症になっちゃうよ。
たっくんのファンがいることは、諦めるしかないんだ。
ファンの存在を喜べるほど、大人にはなれないけど…
今、私の大事な友達の恋が忙しいおかげで…自分の悩みが薄れてる。
大事な親友、直と美亜。
美亜の恋は、ドラマを見ているようにドキドキで毎日話を聞くのが楽しみで仕方がない。
直の恋は、昔からそうだけど…すごく憧れで…だけど、心配もあって、自分の事のように感情移入してしまう。
パン屋にバイトに来たのは、高校3年の子。
で、…先生に体育を教えてもらってる。
先生は1年の担任でありながら、3年の半分のクラスの体育まで受け持っていた。
直が言うんだぁ。
昔の私見てるみたい―――って。
まだ、本当のことを話せていない直だけど…
私としては、その子がバイトを辞めてくれるのを待つしかないって思う。
その子の名前は『モミジ』
これまた、かわいくて良い子なんだって。