胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
俺は、見たくないものを目にしてしまった。
ゆかりに近付いてくる男は、こないだの受付の男だった。
今日は、受付にいないと思ったら、あいつも先生?
だとしたら…超危険。
路上教習とか2人きりだし…
絶対危ないって。
何…嬉しそうに話してんだよ。
何、大声で名前呼んでんだ?
俺、ここにいるのに。
「あ~、野間さん!!野間さんって先生だったんですか?」
「こないだは、たまたま受付にいただけですよ。まだ学科だけですか?」
全部聞こえてるんですけど…
「は~い!まだ車には乗ってないです。」
「先生、今度私達の観察教習やってくださいよ~!」
美亜ちゃんまでもが嬉しそうな声で…
え??
さっきまであっち向いてた隆介が…
鋭い目で!!
睨んでる!!
やっぱ、気になってんじゃん。
「なぁ、卓弥。観察教習って何?」
「確か、先生が運転する横に乗って、路上に出るんじゃなかったっけ?危険な場所とかチェックするんだと思うけど。」
「あっそ…」
隆介は、また美亜ちゃんに背を向ける。
隆介と話してる間に、ゆかりの話を聞きそびれたじゃねぇか。
胸がムカムカして吐き気がしてきた。
ゆかりの笑顔は俺の為にあるんだって思ってた。
ゆかりが俺以外の男にあんなかわいい声出したりするって知らなかった。
ゆかりは俺だけのゆかりじゃねぇんだって…
身に染みて…
「アイツ、殴る?」
耳元で隆介が囁いた。
隆介は、貧乏揺すりをしながら明らかにイライラしてた。
もう
見たくない。