胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~

教習所の中では、だいたい敬語で話していたのに。


2人きりになると、雰囲気が違う。






自分の置かれてる状況を改めて考える。




彼氏じゃない男の人と、手を繋いでる。




これって浮気だよね。



もし、たっくんがこんなことしてたら


私は泣きながら「もう別れる~!」って言う。




熱い目。



怖くて見ることが出来ない。





家の住所を何気なく、カーナビに登録した野間さんはナビの音声を無視して逆方向へ車を走らせた。



「野間さん…そっちじゃないで…す。」



「うん。まだ一緒にいたいから、わざと遠回りしてる。どうやったら、君を俺のモノにできるかって考えてる。」




余裕の笑顔が、憎たらしいくらい。


笑うと目尻にしわができる。


そのせいで、年齢よりも年上に見えたのかも知れない。



私は、怒ることもできないでただ座ってた。


このまま帰して欲しい。


何も言わないで、何もしないで。



これ以上、大人なセリフを言わないで。


私、言われることに慣れていないから本気にしちゃって、


ドキドキしてしまうから…



窓の外の景色を眺めているような素振りをしていたけど、景色なんて目に入らなかった。



ミントの香りと、どんどん熱くなる野間さんの手が怖かった。
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