胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
言えないよ……
俺、抱きしめそうになる自分の甘さに失望した。
肩に両手を置き、千恵理の目を見た。
「ごめんな。千恵理は、いい恋ができる。彼氏できたんだろ?きっと、好きになれるから。千恵理は、あったかい心持ってるから。」
「どぉして…そんな優しいこと言うんですかぁ……メタンコ好きです。やっぱり…」
俺は、視線を外す。
潤んだ目を見つめていると、俺の弱い部分が出てしまう。
「ありがとな。メタンコ…俺嬉しかったから。」
「たっくんと…もう一度、キスしたい…そしたら、諦めます。」
その言葉が本気かどうか、俺にはわからなかったが…
そっと
キスをした。
触れるか触れないか
それくらいのキス。
千恵理は、涙を流しながら無理やり笑顔を作って、俺に何度もありがとうと言った。
それから、
千恵理の笑顔を見ることはなかった。
それからも、バイトが終わると何となく千恵理がいるような気がしたけど、
もう俺の前に現れることはなかった。