胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
詳しく聞いてみると…
まだ キスしたてホヤホヤ…
今日の昼休みの出来事。
「だって、かわいかったから……曲をどれにするかで言い合いになって、庸介がスネちゃったんです。だから……」
さくらは両手で頬を押さえながら、チラリと私を見た。
「…ゆかり先輩~!ダメですかぁ?」
「ううん!!!すっごくかわいい!!いいと思う~!やるねぇ、さくら!!」
私は、不安げな表情で私を見るさくらを抱きしめた。
その体を揺らしながら、私は月を見る。
見えるよ。
勢いあまってキスしちゃった後に、真っ赤になって恥ずかしがってるさくらが…
「それで…???その後は?」
私の質問に、さくらは目を反らしながら鼻歌を歌う。
コレは…何かあった。
「ちょっと!!何があったの?」
さくらのホッペをつねる手を緩めた。
さくらの口から出た言葉…
「キス…されましたぁ!」
私はさくらの背中を叩く。
すごく嬉しい。
いじわるな庸介の態度にいつもヤキモキしてたさくらだったけど…
さくらの大胆なキスから、恋が走り出しそうな予感…
「お前、何やってんだよ!バカ!って怒鳴られて… 仕返ししてやる~って追いかけられて… キスされたんです。」
想像しただけで顔が熱くなり、ニヤけちゃう。
さっき見せてもらったあのかわいい顔した庸介がねぇ…
仕返しにキス…なんて、なんだかかっこいいね。
それから、バイトに戻っても私はさくらをからかってばかりいた。
恋の始まり――
それは人を美しくする。
人を優しくする。
そして、人を怖がりにしてしまう…