胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
腕時計の色は、別にどれでも良かった。
たっくんはどれでも似合うから…
黒と赤で悩んでた。
「やだぁ、健太のばかぁ。そこくすぐったいって…」
「鈴子、俺帽子が欲しいな。」
健太って言う彼氏が、鈴子の腰に手を回す。
で、結局…帽子??
健太って男の人の顔はずっと鈴子の頭で隠れてたんだけど、この時ちょっとだけ見えた。
甘えん坊なのか、ずっと顔を鈴子にくっつけて話す。
かなり美形で…かわいい顔。
驚いた。
鈴子も、かわいくて…その彼氏もかっこいい。
普通、こういう風に人前でベタベタするカップルってイケてないことが多い。
美亜と顔を見合わせて、ちょっとだけ見とれてしまうくらいの素敵なカップルだった。
「もう、ここ飽きた…上行こうぜ!」
私と美亜の真剣な気持ちも知らないで、いろんな時計を触るだけ触って…体を寄せ合ったまま去って行った。
「悔しいけど、ちょっとだけ羨ましいかも…隆介とあんな風にくっついて歩きたい…」
「うん…私もあんなベタベタするの嫌だったけど…今、ちょっとだけ羨ましいって思った。たっくんとくっつきたい…」
まるで2人の世界…って感じのカップルを見て懐かしくなった。
私とたっくんにも
あんな時があった?
ラブラブで、周りの視線も気にならないくらいに2人だけの世界…
映画館でのキス。
公園でのエッチ。
もう…たっくんの手の感触を忘れてしまいそうだよ…